日本一鍋プロジェクト

日本一鍋は鍋の場のパワーを活用し、技術者、生産者などモノの作り手を支援するプロジェクトです。

果物農家さんが一番楽しい時期

果物農家さんが一番楽しい時期

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2013年になりました。今年もよろしくお願いいたします。

1月は言うまでもありませんが、一年の始まりです。あらたな気持ちで今年も頑張ろうと思っている方も多いと思います。春や夏に向けて、何かを仕込む時期ではあります。あなたは何を仕込んでいますか?

日本一鍋の場では、いろいろな生産者さんが鍋を囲んでくれます。鍋奉行の私は生産者さんの話を聞くのが大好きです。

広い意味の「モノの作り手」は農家さんなどの生産者さんも入ります。製造業もIT開発者も農家さんも、「モノ作り」に関する根っこの部分では共通することが多いため、お互いの話を聞くと共感できるところが多いですし、モノ作りのヒントになる気付きが多いです。私もソフトウェア開発がバックグランドではありますが、農家さんとの話は共感や気付きが鍋を囲むたびにあります。

果樹園で果物を作る農家さんとの会話もとても楽しいです。
畑で作る野菜とは違った奥深さを聞くことができます。

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ところで、果物農家さんが1年で最も楽しい季節っていつだと思いますか?

興味深い話です。

私はこれまでリンゴ農家さん、モモ農家さん、サクランボ農家さんなどとお話をしてきましたが、みんな口を揃えて同じ時期を言います。

秋の収穫の時期?

私もその時期かな?と思っていたのですが、違います。

そういえば、今日 1/7(月)は今年最初の「日本一鍋説明会」があります。どんな鍋にするか思案中です。
1月は1/15(火)、1/24(木)にも実施します。ぜひ、一緒に鍋談義、野菜談義、モノ作り談義をしましょう!

話を戻します。

果物農家さんが最も楽しい時期。それは「今」です。
地域によって違いますが、収穫がすっかり終わって、次のシーズンの準備をする時期です。

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この時期、果物農家さんは「剪定」をします。余分な枝や幹を切り落として、今年はどの木にどのくらいの果実がなるのかを見定める作業をします。一本一本の作業をしていきます。

どの果物農家さんも剪定の話を始めると、話が止まらなくなります。

ある農家さんは「この時期がね、木の一本一本と向かいあう時なんだ」と優しい目をして話してくれました。

「なんかね、今年だけでなく、3年後5年後の果樹園全体の様子が見えるんだ」遠くを見つめながら話してくれました。
「この枝は2,3年後には切ってしまうんだ。そうするとこの枝がね…」
「この木はあと3年すると実をつけてくれるんだ。楽しみだなあ…」

収穫の時期は結果に過ぎなくて、バタバタしていてあまり楽しさは感じないとのことです。

自分は「手塩にかけた娘をお嫁にやるような気分だ」というような言葉を期待していたのですが、そうではないとのことです。

納得です。

ソフトウェア開発でも、製品仕様を考えていたり、ソフトウェア設計をして、全体を見渡したり、これを作ったらどんな動きをするのかなと想像している時が楽しいものです。最後の方で不具合を直したり、納品したりする時期は、バタバタしていて、決められた作業を淡々とする趣が強く、達成感は感じるものの、あまりワクワク楽しい感じはしません。

果樹農家さんにとっては、この寒い冬の時期は、仕込みの時期であり、未来に思いをはせる時期なのです。葉っぱも落ちて、果実も一つもなっていない、裸の木に向かい合う時期が楽しい時期です。

「この時期が人が何かできる時なんだよ」「葉っぱが出てきたら後は木に任せて、こちらはサポートする感じなんだ」

準備の時期の大切さを考えさせられるお話ですよね。

あなたは今何を仕込んでいますか?
鍋を囲みながら、未来に向けた話をしましょう!

 

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