日本一鍋プロジェクト

日本一鍋は鍋の場のパワーを活用し、技術者、生産者などモノの作り手を支援するプロジェクトです。

プロフィール
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鍋奉行 岡村 英明 Hideaki Okamura

誰とも話せない小学生時代を経て、会話が少なくて済むモノ作りの道を選択。大手メーカーでゲーム機を開発し、ユーザからの喜びの声に幸せを感じる。一方、部下とのコミュニケーションに悩み、心理学NLPを学びトレーナーの資格を取得。「コミュニケーションスキルはちょっと身に付ければ可能性がずっと増える」を信条に、夢や伝えたい思いを胸に仕舞ってしまっているモノ作りの人と一緒に「できること」を考えたいと思っている。趣味は自然に親しむ旅行。森林セラピストとしても活動中。

鍋の場として、話しやすい場を作り、想いを引き出す鍋のファシリテーター。

コーチングや実践心理学NLPの技術と経験を使って、モノ作りやクリエイティブな作業をする方を応援します。

【資格/認定】
チームフロー認定メンタルコーチ
全米NLP協会公認トレーナー
LABプロファイルトレーナー
森林セラピスト/奥多摩森林セラピーアシスター
博士(工学) (慶應義塾大学大学院理工学研究科計算機科学専攻)


連絡先

メールアドレス: hideaki@tkg.att.ne.jp
ひでのブログ: http://ameblo.jp/hide-okamura/
日本一鍋奉行のブログ: http://ameblo.jp/hide-no1nabe/
フェースブック: http://www.facebook.com/hide.okamura

お問い合わせはメールでどうぞ!


モノ作りを鍋で復権させる想い

日本のモノ作り (農業、製造業、IT開発など)が危機的状況にあります。安く作ればいい、海外で作ればいい、コスト偏重の考え方が蔓延してます。日本人の緻密さ、勤勉さ、和の心といった特性を活かし、誇りを持って日本を支えてきたモノ作りが味気ないものになってしまいつつあります。多くの人が閉塞感を感じています。

そもそも「どうしてモノ作りするのでしょう?」

子供のころ、工作、お絵かき、プラモデル作り、お話作り、いろんな「モノ作り」をしてきました。特に日本人は生まれながらにしてモノ作りの「文化」の中にいます。先人たちが作り上げてきたモノ作り文化が沁み込んでいる日本の土地に生まれた子供たちは、教わらなくてもモノ作りの技や心構えを身に着けるのでしょう。例えば、完成を目指して役割を越えて作業するとか、明確な役割分担なしでも驚くべきクオリティでモノを完成させることは、親や周囲の人の振る舞いを見て、自然と身に着けるものなのではないかと思います。

「できた!」「ちょっとここ大変だったけど頑張った!」 達成感。地道な積み上げ。
「へえ!面白いんね!」「すごいね!」「ありがとう!」「こんなの欲しかった」 貢献感。
「もっとよく知ろう!」「さらにいいの作るよ!」 次への挑戦

学芸会、文化祭、運動会、サッカーチーム、野球チームでは、「みんなでやり遂げるとさらにうれしい!」ということを感じます。

子供時代に純粋に味わった、モノ作りの「ワクワク」をもっともっと味わいたくて、大人になっても、仕事としても、「モノ作り」をし続けているのではないでしょうか?

物質的に豊かになりました。先人たちは品質の高いモノが安く、大量に得られる世の中を作り上げてくれました。なるべく手間をかけないで、たくさん作るため、なるべく安く多くのものを作るため、絶え間ない工夫をし続けています。

その中で、効率主義、コスト主義と呼ぶ、お金でモノの生産を評価をすることのみに注目する流れができました。
「他社製品ではこの機能あるでしょ。○×表作って機能比較しよう」
「ほら、あそこに負けていることがあるからまずはこの機能を作って」
「海外で作った方が安上がりだからそうしよう」
「もっと人減らせるよ。効率よくできるし、短い時間で安くできるよ」

そして、「この製品完成したくらいで喜んでないで、次の製品も作んなきゃ負けちゃうよ」
「この製品って誰のためのもの? いろんな人の喜ぶもの作ればいいんだよ!
だから、いろんな製品のいいとこどりしちゃえばいいよ!」

ちょっとずつ、 モノ作りの楽しさから離れていきました。
いつしか、「できた!」「作ってくれてありがとう!」を味わうことを忘れてしまったかもしれません。

いや、「できた!」の喜びは感じているかもしれません。作っている間は楽しいものかもしれません。そして、よくよく思い返してみると「ため息」ついている気がします。

「これって、本当に売れんのかな?」
「何のため、これ作ってんの?上から言われたからね。でも誰が喜ぶのかな?」
「もっとちゃんと作れればな。時間ないからしょうがないか。」

「できた!」という「達成感」を味わえても、誰かのためのなっているという実感「貢献感」が味わえないと、自分の内部のエネルギーを消耗してしまい、他者からエネルギーをいただくということができないようです。次第に疲れ切ってしまいます。

そして、多くの人が、「閉塞感」を味わっているようです。

私はこの「閉塞感」からの脱出を「鍋を囲むこと」から始めることを提案します。

昔から鍋の場ってすばらしいコミュニケーションの場として使われています。一つの鍋をみんなでつつく、丸い鍋をみんなで囲む、自然と仲間意識、協調性が生まれます。世代、性別、役割を越えて、みんなが一つになれる場です。おいしく、楽しい雰囲気が、会話をはずませ、気持ちを前向きにします。職場や地域の集まりで、鍋を囲む素敵な光景が多く見られてきました。

鍋の場がモノ作りの方たちに有益であると考える点がいくつかあります。特に感じているのは、創造力/アイデア力を向上させる点、チームワーク力を向上させる点の2点です。

鍋自体の中で「創造的」な活動が行われています。料理ができていく、味が作られていく。そこにはどの具材をどの順番で入れると一番おいしいかの「段取り」とか、食材のバランス、調味料のバランスなどの「加減」が行われています。

鍋の中では、具材たちのチームワークが実践されています。具材がそれぞれの持ち味を引き立てあっています。シイタケのように出汁を出すものもいれば、白菜のようにうまみを出すと同時に、他の味わいを受け止めるようなものもいます。これらが、「鍋」という一つの味を実現しています。具材それぞれ全力で役割を果たしています。

これらの2点に加えて、鍋の場は「自分らしさ」を考えるのによい場所です。シイタケの役割、白菜の役割、昆布の役割。モノ作りの現場で「自分らしさ」は、製品のアイデアに反映されるかもしれませんし、現場での役割かもしれません。自分の好きなこと、得意なことでモノ作りに貢献できると、より深い貢献感を味わえます。例えば、ソフトウェア開発の現場でも、次々と機能のアイデアを出す人のが得意な人もいれば、発生した問題をすぐに見つけることが得意な人もいます。身近な家族に使ってほしいモノを作る人もいれば、友達のためにモノを作る人もいます。この「自分らしさ」をわかっている人は、高い貢献感を持ってモノ作りができるでしょう。貢献感が高ければ、モノ作りで全力を出したとしても、自分の外部からのエネルギーを得ることができるため、メンタル的に落ち込んだりすることは少なくなるでしょう。

だから、私は鍋の場をもっと有効活用していきます。単純に「楽しい」「すっきりした」で終わるのではなくて、モノ作りでアイデアを出す、チームワークを強化するという目的で有効活用していきます。そのために、「鍋奉行」という場作りのプロが、会議の仕切り人であるファシリテータの役割を果たします。鍋奉行は、誰もが話しやすい雰囲気を作り、アイデアが結実し、チームワークができていく過程をサポートしていきます。

私は、実践心理学NLPやコーチングの技術を学んできました。これらの技術は人のやりたいことを実現させる、なりたい自分になることをお手伝いするものです。実は、鍋の場は、コーチングで必要な初期のプロセス、すなわち、話しやすい場作りや前向きで建設的な気持ちにするプロセスを自動的に実現しています。鍋を囲んで、鍋の蓋を取った瞬間に、コーチングの初期プロセスが終わっています。このすばらしいシステムをモノ作りの応援に活用していきます。

モノ作りの人は時間に追われています。コーチングを受ける時間がとりにくいような方でも、鍋ならば囲む気になるかもしれません。仮に「おいしかった」で終わってしまったとしても、その一時はモノ作りの応援になると信じています。

私は、日本の誇るモノ作りを、日本の誇る鍋文化で復権させます。モノ作りに関わる一人一人が誇りを持って生活できる社会を作っていきたいという思いで一杯です。モノ作りの人たちが感じている閉塞感を打破するお手伝いしたいです。

全てのモノ作りの現場が、創造力やチームワーク力を最大限に発揮する世の中、モノの作り手は誰でも自分らしいアイデアを誇りと情熱を持って形にすることのできる世の中を作っていきます。そして、一生懸命モノ作りする人、頑張っている人が報われる世の中作ります。モノ作りを通じて、努力、継続の楽しさを広めていきます。みんながモノを大切にする世の中を作ります。例えば、道端の花 (= ちょっとした価値)にみんなが微笑みかけるようになっていきます。身近に埋もれているヒト、モノ、その思い、エネルギーの発掘していきます。

鍋を囲み、語り、本来の楽しいモノ作りをしていきましょう