11階って聞いてたけど、エレベーターは10階までしか行っていない…
どうしよう…
とにかく10階に行って、エレベーターを降りました。
そして、恐る恐る脇にある階段を上がっていきました。
いわゆる、屋上のペントハウス。
階段を上り切ったところに青い扉。
それを開けると…
あー、よかった!
ホッと胸をなでおろしました。
目的の「アキバ基地」はそこにありました。
コミュニティースペースとしての「アキバ基地」
IT事業を展開する株式会社必然のCTO 松本純一さんにお話を聞きました。
「アキバ基地」は本社とは別の場所にある株式会社必然の仕事場です。
「いつもはみんないろんな場所で頑張っているんです」
訪れたのは土曜日。普段はエンジニアさんたちは委託業務で他社に詰めていることが多いので、みんなが基地に集合する土曜日に訪問させてもらいました。
土曜日ですが、皆さん、仕事を頑張っています。なんか、ゆるいというか楽しい雰囲気を漂わしています。
みんな仕事が好きなんですね?
「そうかもしれないですね」
「まあ、みんな寂しがり屋なんで、集まってくるんですよ」
アキバ基地は、コミュニティースペースとしても機能しているようです。
昼や夜に知り合いの経営者さんなどが集まることもあるようです。
私のよく知るゲーム機がそこに
置いてありました!プレイステーション3 (PS3)!
私はかつてPS3の本体ソフトウェア (システム・ファームウェア)を開発していました。
おお!USBの口が4つ付いてる!
懐かしい!2006年に最初に発売されたモデルがそこにありました。
IT業界に進む人が、コンピュータとかITに興味を持つきっかけの一つがゲームです。
「中学生の頃はかなりやり込みましたねえ」
「ほとんどそれしかしてなかったです」
松本さんもゲーマー。ストリートファイター三昧でした。
なぜ、ストリートファイター?
「ゲームの実力が結果にちゃんと出るところですかね。」
「練習して技を磨くと、結果が出るんです。」
実際に、PS3でプレイしてもらいました。
最初は「忘れちゃったなあ」と実力を発揮できていないかったですが、やっていくうちに感を取り戻し、素晴らしい指使いで敵をバッサバッサ倒していきました。
「やっぱり、昔の感覚って、染みついているものですね」
マンガ+ITでビジネス
株式会社必然では、委託業務の他に、自社技術を展開しています。その一つが「漫画ストリーム」。
例えば、歯医者さんで「こんな治療もありますよ」と治療内容を説明する時に伝わりにくかったり、そもそも説明することがセールスっぽく思われてしまったりということがあります。そんな説明をマンガでわかりやすく伝える、紙芝居のような動画を作るサービスです。
お子さんが興味持ちやすくしたり、お店でなんとなく待ち時間とか、サロンで手持無沙汰の時にも、なんとなく見られるのが、とっつきやすいです。
なぜマンガなんですか?
「日本が強みを持てるものはなんだろう?と考えた時に、日本が誇るマンガ文化がありました。」
日本の漫画文化の充実ぶりは素晴らしいです。そこに注目してビジネスを作っていきました。いくつか、別の形態でマンガでのビジネスを提供する試行錯誤を繰り返し、今のサービスに至ったとのこと。
マンガに対する洞察が積み上げられていきました。
夢中になりたい心が未来を作る秘密基地
「うまいビジネスの仕組みが回るようにやっていきたいですね。」
「だけど、何か夢中になって、あきらめずにやり続けるってことも好きです。」
努力はエンタテインメント。
私の好きな言葉を伝えると、共感してくれました。
楽しく仕事をするのは第一だけど、何か努力して積み重ねたい欲求があります。
何かうまくいかないことにぶつかっていくことも大切です。
これらがあるから、何かをやり遂げたこと、モノ作りで何かできた時の喜びが大きくなります。
「本当、練習とかしてしましたもん。」
ストリートファイターを夢中でやっていた時のこと。
とにかくゲームがうまくなりたい。
それは、「何かいいものを作り上げたい」に共通する「夢中になりたい心」です。
ペントハウスのアキバ基地。
クリエイティブな引きこもりが未来を作る場所。
夢中になりたい心を満たす場所。
ワクワクする秘密基地です。