日本一鍋プロジェクト

日本一鍋は鍋の場のパワーを活用し、技術者、生産者などモノの作り手を支援するプロジェクトです。

モノ作り談義

農業ドリプラ運営鍋!生産者と囲む!あのコンロもデビュー!

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念願かなう!

群馬県昭和村の農家・星野たかちゃんと鍋を囲みました。

昭和村では囲んだことはありましたが、東京で囲んだのは初めてです。

しかも、採れたての野菜を持ってきてくれて、それをすぐに鍋に投入!

一つ夢がかないました!

「日本一鍋」で「日本一」って言っているのは、日本一の思い(= その人ならではの思い)を語る場だからです。

「野菜にかける日本一の思いを語る→おいしく野菜をいただく→その姿が野菜の作り手を元気にする」って循環を 起こす場を作りたい!

そんな妄想場面が現実に。

「レタス投入!」

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レタスへの「思い」を聞き、みんなで「うめぇー!」と言いながら鍋を満喫!

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レタス持っていると「ウヘヘヘ」と笑いが止まらないのでした。

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しかも、この日の鍋はあの「コンロ」がデビュー!

ついに購入したんです!

Iwataniが誇る最高級カセットコンロ「アモルフォ プレミアム」。

美しい銀色の薄型ボディから燃え上がる炎はキャンドルのよう。それは優しくも人々の心を熱く燃え上がらせる!

性能的にも熱効率が高く、立ち消え防止の安全設計!

通常のカセットコンロとは一線を画する着火時の素敵なカチカチ音が心を揺さぶります。

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ところで、今日の鍋は、たかちゃんが実行委員長をやっている「世界農業ドリプラ」の運営チームのアイデア鍋!

世界農業ドリプラ! 農業に関わる人が夢を語るイベント。

別名を「夢の火種プロジェクト」。

日本中にある熱い思い = 「火種」を集めて大きな炎にする!ボオー!

私は世界農業ドリプラの運営をお手伝いもしています。

これから、盛り上げていきますよ!

ぜひ、農業関係者の方、農業ドリプラへの出場をご検討ください!

世界農業ドリプラのホームページはこちらです→

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先進機械から職人技術まで幅広く金属加工: (株)ナガエ (アルミなど金属加工)

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富山県の生産者さんや工芸作家さんたちを応援するシリーズです。

富山県・高岡市にあるアルミなど金属加工の株式会社 ナガエさんにお邪魔しました。

とやまマリアージュとの連動企画。

食のイベント「富山week (2/18-23) & 富山ナイト (2/24)」

酢飯屋さんのギャラリーでは、(株)ナガエさんの金属製品が展示されています。

営業の津田さんと企画の香川さんにお話を聞きました。

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金属加工技術を生活に潤いを与える新しい使い方を提案しています。naftというブランドで商品展開をしています。

足ツボ器具です。アルミでできています。鏡のようにピカピカです。

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技術的には「ダイガスト」という先進技術を使っています。
大きな加工機械を使います。

この形を出すために、職人さんは苦労されたそうです。
アルミニウムは錆びやすく輝きを失いやすいのですが、材料の厳選により錆びにくいアルミを使っています。

ヒノキの間伐材から作ったマッサージオイルとのセットもあります。

デザインコンテストで出てきたアイデアを金属加工の技術を用いて実現しています。

一輪挿しです。なんか、ほっとするデザインです。

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こちらも材質はアルミなのですが、昔ながらの砂型を使う技術を使っています。

こちらは、動物の形の金属容器にエアプランツを置けるもの。かわいらしいです。

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亜鉛合金で、倒れないように敢えて重さを持たせています。

デザイナーさんのアイデアを最適な金属加工技術で実現しています。

デザイナーさんと職人さんの間の会話。

「こういうことできないの?」

「できるよ!」

デザイナーさんのアイデアに柔軟に対応できる職人さん。

先端技術から職人さんの伝統の技まで、金属加工のバリエーションが豊富です。

基本的技術はこれまで積み上げていたものを使って、デザインのアイデアで新しいモノを生み出しています。

フルーツボール。

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鉄でできています。仏鈴 (おりん)で使う鍛金の技術。
仏鈴とは、お寺にある「ゴーン」「チーン」と鳴るやつです。

この「ゴーン」を調音する職人さんが、鉄をたたいて作っています。
伝統の技がモダンなインテリア雑貨に使われています。

高岡で特徴的なのが、「分業制」という手工業のシステム。

ナガエさんのような鋳造屋の他に、木型屋、彫金屋、塗装屋など、金属加工製品を完成させるため、各工程を専門に扱う業者で作業を分担していきます。

高岡で金属加工製品の仕上げまでができるようになっています。

分業制のシステムで柔軟にいろんなものを作って、職人さんも頑張っていこうと、地域が盛り上がっているとのことです。

地域が盛り上がりつつあると聞くと、なんかうれしくなりました。

伝統的な鋳物の技術を現在に活かす: (株)能作 (銅や鈴の鋳造)

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富山県の生産者さんや工芸作家さんたちを応援するシリーズです。

今回は個人ではなくて、会社を応援します。

富山県・高岡市にある銅や錫の鋳造業の株式会社 能作さんにお邪魔しました。
工場の見学と、担当の礒岩さんにお話を聞きました。

とやまマリアージュとの連動企画。

食のイベント「富山week (2/18-23) & 富山ナイト (2/24)」

酢飯屋さんのギャラリーでは、(株)能作さんの商品である金属製品が展示されています。

高岡は江戸時代から続く鋳物の町。

もともとは仏具など「伝統的モノ作り」をしていましたが、近年はテーブルウェア、インテリア雑貨などの「新しいモノ作り」がされて、鋳物の可能性を広げています。

昔ながらの砂型を作る作業です。寒い季節は砂が冷えてしまうので、忍耐力のいる作業です。

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炉です。

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金属を溶かしてひたすら混ぜます。ここの混ぜ具合が仕上がりの良し悪しを決めるとのことです。やはり、材料の品質が重要なのですね。

炉の周辺は50℃にもなるので、夏場は頑張りどころです。

砂型を作るための木型。

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木型屋さんごとに色が付けられて、何かあった時にどの木型屋さんに聞きにいけばよいかがすぐわかるようになっています。

仕上げは職人技です。

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寒いと金属は冷たくなるので、ここでも冬は厳しいです。

錫は100%のものを使います。

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錫はさびにくく、抗菌作用があることが最近わかってきました。
医療器具への応用もされつつあります。

錫は柔らかいので、手で曲げられます。
買った後も自分の好みで形を変えられるのが面白いです。

例えば、このかご型の商品。

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気合を入れれば、動物の形にもなります。これは職人さんがこの形にしたのだそう。

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新しいモノ作り、デザイナーと組む製品も見受けられます。

これは「はりねずみ」型の盆栽です。かわいいですね!

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技術は伝統のものを使って、形や用途はアイデア次第でいろんな可能性があります。

高岡全体が、職人さんの可能性を広げようとしています。

工場には炉があるんで、寒い地域だからこそ発展した産業なのかと思ったら、実際は違うようです。

寒いと砂が冷えて、金属加工の品質はよくしにくいそうです。砂、金属自体は寒いと氷のように冷たくなるそうです。

そんな産業ですが、最近は若い人が「やりたい」といって、入社してくるケースが増えているそうです。

錫製品のような柔軟な考え方で、伝統的なモノ作りの技術が、広がりを見せています。

とても、未来を感じさせてくれて、単純にうれしくなりました。

自分のルーツ「白い灯り」を無心に描く: 谷英治さん (鉛筆画家)

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富山県の生産者さんや工芸作家さんたちを応援するシリーズです。

富山市の鉛筆画作家でもあり、高校の美術の先生でもある、谷英治さんにお話を聞きました。

どんな想いで、鉛筆画を描いているのか、その想いを聞いてきました。

とやまマリアージュとの連動企画。

食のイベント「富山week (2/18-23) & 富山ナイト (2/24)」

酢飯屋さんのギャラリーでは、谷さんが作った鉛筆画が展示されています。

無心に写経のように描く

谷さんの描く鉛筆画を最初に見た時、思わず「すげー」という言葉が出ました。

鉛筆でここまで表現できるのか?と驚きました。

水溜まりに写る街灯、ガソリンスタンドのぼんやりとした灯り、光の浮かび上がらせ方にリアリティを感じました。

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鉛筆画をどのように描いていくのですか?

新作の絵を見せてくれながら、次のように話してくれました。

「写真を写経のようにトレースしていきます。そこで変に主張しないようにします。」

そこでは、自分を消しています。一方で、自分が滲み出てもいます。

シンプルに、無心になればなるほど、写実性の中に、何か自分の内面が出てくるとのこと。

「それを見るのが面白いですね」

「無心に描き続けるのが性にあったというか」

様々な表現手段をやってみました、いろいろそぎ落として言って、シンプルな鉛筆画に行きついたとのことです。

自分のルーツはポツンとした白い灯り

どうして、シンプルに行きついたか?

それは、谷さんの「ルーツ」です。

谷さんはフランスのブルターニュ地方に留学していました。
その時に感じたのは、「フランスは田舎が地元に誇りを持っている」ことでした。

例えば、ガレット (そば粉のクレープ)やシードルのような独自の食文化を持ち、それらを地元の人が愛しているのを肌で感じました。

「アーチストたちも自分のルーツを表現の対象にするんです。」

「で、自分のルーツは何かって考えたら、ポツンとした夜景でした。」

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郊外の自動販売機、街灯の白い灯り。

暗闇の中にこうこうと明かりを灯すコンビニ。

海外はオレンジの灯り。東京はもっと明るくて、ポツンとしていない。

地方ならではの光景。

異様なんだけど、そういう環境の中で生まれ育ってきた。

「孤独でもあり、あったかくもある。」

そこのコントラストを描きたくて、黒をベースにしようと思ったら鉛筆でした。

鉛筆で描いていくということは、「闇を塗りつぶしている」ことです。

光を描くのではなくて、光を残していくことになります。

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「実際、描いてみると、それが楽しくて。」

さらに、富山らしさ?という話題になった時に教えてくれました。

「そう言えば、前に自分の絵に『湿気を感じる』と言われました」

カラッとしていなくて、ジトッとしている、富山の気候なのかもしれません。

富山で暮らしているから、富山の風景を見ているから、富山の空気感が絵に滲み出たのかもしれません。

教員でもある画家

谷さんは高校で美術の先生をしています。

生徒たちには「たくさんの人に会って欲しい」と言います。

「『いろんな人がいるんだよ』ということを伝えたい。」

だから、企画をして、外に生徒たちを連れて行ったり。

谷さんは富山県の大学に進学しました。

その時、他の多くの同級生が富山県外に進学先を求めたのに対し、自分が富山に残ったことを、少々後ろめたく感じていたと言います。

その代わりに、多くの人と交流を持つことを心掛けたそうです。

人と交流するうちに、富山を受け入れることができたのでしょうか。

だからこそ、地元の空気感が自然と出るような、作風になってきたのかもしれませんね。

自分のあったらいいなを作ってみる、使ってみる: たこあつこさん (陶芸作家)

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富山県の生産者さんや工芸作家さんたちを応援するシリーズです。

射水市の陶芸作家・たこあつこさんにお話を聞いてきました。

どんな想いで、食器を作っているのか、その想いを聞いてきました。

とやまマリアージュとの連動企画。

食のイベント「富山week (2/18-23) & 富山ナイト (2/24)」

酢飯屋さんのギャラリーでは、たこさんが作った手作り食器が展示されています。

とにかく使ってみて欲しい

「今年はちょっとおしゃれにカフェっぽくやるんです。ベーグル屋さんと知り合ったので、ベーグルを置くお皿、それとスープ入れる器をテーマにします!」

とっても楽しそうに今年の秋に開く展示会のテーマを話してくれました。

去年はうどん、その前はカレー。たこさんが好きな食べ物がテーマでした。

たこさんがご自身で企画するの展示会の特徴は「実際に食べ物を食べられる」こと。

そこには、たこさんの想いが込められています。

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「まず使って欲しいんです!」

手作り食器はお値段的にはちょっと割高になってしまいます。なかなか手が出しにくいと思ってしまう人も少なくありません。

うどん用のどんぶりでうどんを食べてみる、カレー皿でカレーを食べてみる、その時に何を感じていただけるか?

使いやすさを気に入ってくれるかもしれません。楽しい絵柄と一緒に食事をすることの楽しさに気付いてくれるかもしれません。その食器たちを実際に家で使っている自分を想像できるかもしれません。

「買った時の満足感も味わってもらいたいです!」

一個一個、一枚一枚、手作りされるお皿。全く同じ絵柄は存在しません。買った人だけが楽しめる絵柄です。

だから、買った時の満足感はちょっと違ってきます。

そんな満足感を味わうのも楽しいことです。

日常生活と密着した制作活動

たこさん自身も、食器を見るのも買うのも大好き。

その延長線上に、制作活動があります。

「これ入れるのにちょうどよいお皿がない」
「この入れ物はもう少しこういう形だったらいいなあ」

日常生活で感じる「あったらいいな」を作っていきます。

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他の作家さんの作品を見て、「これと同じ形、同じ使い道のものを作りたいな」
が、制作のきっかけになることもあります。

作成した食器は実際に使ってみます。そして、使い勝手を自らチェックして、改良につなげていきます。

だから、たこさんの食器は「使い勝手のよさ」があります。

絶妙の重さだったり、もちやすい持ち手だったり、注ぎやすい注ぎ口だったり、とにかく自分が使ってみて、いいなあと思うように作り込まれていきます。

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「いろんな年齢層の方に、男性にも女性にも使ってもらいたいです!」

子供に向けては、ワクワクと楽しくなる絵柄のもの、男性にはシンプルな絵柄のもの。

ちょっとずつ種類が増えていきます。

「これからもちょっとずつ生まれていくと思います。」

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雪が降るとワクワクします

富山のよいところはどこですか?

「やっぱり自然ですね。」

「山が近くにある。川も、海も近くにある。空が広い。」

そして、雪について話してくれました。

「雪が降らないところには住みたくないんです。」

「雪よかし (雪かき)は確かに大変ですが、たんぼにちょっとたたずんでみると、ああ、ここでよかった … って思います。」

「それが一年で一回も見れないところには、住めないなと思います。」

「家の中にいて外が見えなくても、雪が降っている感じってわかります。」

「今でも、雪が降ってくるとワクワクするんですよ!」

富山の冬って、「寒いけど、あったかい」って思います。

雪が降って気温は寒いんだけれど、富山の人との関わりはあったかい。

たこさんの作るモノって、その富山の感じを表しているなあと思いました。

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恋したガラスで光を届ける: 岩瀬明子さん (ガラス作家)

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富山県の生産者さんや工芸作家さんたちを応援するシリーズです。

富山市のガラス工芸家、岩瀬明子さんのお話を聞きに行きました。

どんな想いで、モノを作っているのか、その想いを聞いてきました。

とやまマリアージュとの連動企画。

食のイベント「富山week (2/18-23) & 富山ナイト (2/24)」

酢飯屋さんのギャラリーでは、岩瀬さんが作ったガラス工芸品が展示されています。

ガラスと山に導かれて

「昨日も天湖森(てんこもり)に行ってきたんですよ。ラッセルで登って行って、頂上でうどんを食べて、新雪をスキーで降りてきました!」

「帰りは楽今日館(らっきょうかん)っていう温泉につかってきました。」

岩瀬さんは山の話となるとテンションが上がります。
特に冬の山のリンとした感じが好きということです。

愛知県出身の岩瀬さんが、海外留学を経て、富山に来ることの決め手になったのは、「雪、温泉、麺類」が揃った土地だったからだと言います。

まさに、この「三大要素」を満喫している様子。

岩瀬さんの制作場所は富山ガラス工房の一角にあります。

自慢の蒔きストーブが焚かれていて、和風の雰囲気の建具がしつらえてあります。

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岩瀬さんがガラス工芸へ「キューン」と恋が芽生えたのはテレビで見た吹きガラスの現場。

大学は農学部に進んだものの、大学のそばにガラス工房ができて、恋の火が付きます。

そこでガラス制作を習い始めたり、旅行先はいつもガラスの名産地だったり、恋い焦がれた状態が続きます。

いい具合に市内の再生ガラス工房要員に空きがあり、そこに就職しました。
そして、社員旅行で行ったデンマークの「いい感じの島」に行った時、「ここに行くんだな」と直感し、スッと準備してスッと留学に行きました。

デンマークにいた時、ガラスを吹きながら、ふと外を見ると雪がキラキラ舞っていました。

その光景が大好きでした。

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帰国しても「雪があるところ」でガラス制作をしたいと思いました。
海外暮らしの反動で、「温泉」「麺類」が次の制作場所の条件になりました。

導かれるように富山の地に落ち着きました。

来てみたら、そこには剣岳をはじめ、すばらしい山々もありました。

光を届けたい

クラフトマン (= 職人/工芸家)として、岩瀬さんがガラス製品を通して届けたいと思っているもの、それは「光」です。

「こんな曖昧なもの商売にして、すごいなと思います。」

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ガラスがどんな「光」を使い手に届けるのか?

その可能性を追い求めています。

「その人が一瞬でも明るい気持ちになってくれれば」

ガラスを通じて注ぐ光が、その人の気持ちを照らします。

富山で暮らす人は、雪のやっかいなところも受け止めながら、雪を大切だととらえています。

雪が降って、身動きがとりにくい時間を、誰もが肯定的にとらえます。

何かを感じる時間だったり、何かを考える時間だったり、何かを生み出す時間だったり。

ガラスがもたらす光は、その「引きこもりの時間」をさらに豊かにすることでしょう。

デンマークを始め北欧諸国でガラス工芸が発達した理由は、「豊かな引きこもり」をするためのものとも言われています。

暗い夜が長い冬に家の中に閉じこもる時、そこに美しいガラス製品があったら、そこに光がもたらされます。

鬱屈した時間が、楽しい時間に変わっていきます。

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ガラスが富山の冬をさらに豊かな冬に変えていくでしょう。

同じように、都会で心に冬を抱え込んでいる人に、一筋の光を与えてくれる存在になれるでしょう。

自分らしさの輝き

「私しかできない『今』をどんどん出していきたいです。」

クラフトとしてのガラス製品は、実用性というよりも、その与える「光」への共感が求められます。

それは岩瀬さんらしい生き様の輝きがもたらすものでしょう。

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岩瀬さんが東京に出かけていくと、必ず二つの欲求を感じると言います。

一つが「山に行きたい」
もう一つは「吹き場に行ってガラスの作業がしたい」。

自然に触れる時間、何かを生み出す時間、どちらも純粋で、岩瀬さんの恋した時間です。

時間を縛らない自分の時間を持つための時計: 伊藤美沙さん (手作り時計作家)

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富山県の生産者さんや工芸作家さんたちを応援するシリーズです。

富山県黒部市在住の手作り時計作家の伊藤美沙さんに話をうかがってきました。

どんな想いで、モノを作っているのか、その想いを聞いてきました。

とやまマリアージュとの連動企画。

食のイベント「富山week (2/18-23) & 富山ナイト (2/24)」

酢飯屋さんのギャラリーでは、伊藤さんが作った手作り時計が展示されています。

自分の時間を持つための時計

伊藤さんの作る時計は、「自分の時間を持つ」ための時計。

文明社会で暮らしていると、時間に縛られていると感じることがあります。

時計は「かっちり、きっちり」「正確さ」の象徴。

時計は私たちがスケジュール通りに行動することを見張っています。

そんな、これまでの時計の役割が「見張り番」なら、伊藤さんの時計の役割は「パートナー」。

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真鍮を使ったアンティーク調の時計。見ていて、ホッとします。
時計でありながら、私たちを時間から解放してくれます。

「大丈夫、自分のペースでね!」
「ちゃんと時間は見ておくから安心してね」

そんな言葉を投げかけてくれます。

マイペース。

今の伊藤さんは自分らしいペースで柔軟に振る舞っています。

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子供の頃は、学校の先生にそのマイペースっぷりを注意されてきました。

伊藤さんの時計は、そんな子供の頃の自分にも「大丈夫だよ」と言い続けているようです。

手作り感のある「ふわっとした」外見が心を和ませますが、その裏で動いている部分は実は高性能なクウォーツ時計です。

この構成が価格を庶民的なものにしているとともに、「正確に時を刻む」という時計本来の機能はキープしています。

決して「時間はどうでもいい」と現在社会から隔離するようなものではなく、適度に文明社会と接点をもちつつも、「自分らしい時間」を持てるような、絶妙な存在感を持っています。

普段は時間を意識しなくても、時計の秒針を見た時に、「やっぱり時間は進んでいるんだな」と思うことができます。

守ってあげなきゃいけない時計

伊藤さんに時計とどういう風に関わって欲しいか聞いてみました。

「大切にして欲しいです。」
「いつも身に付けて欲しいです。」

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手作り時計はちょっと水に弱いです。

強い雨が降るような時は、ちょっと濡れないように気を使う必要があります。

革のベルトはやがて劣化してしまうので、まめに交換が必要です。

「守ってあげなきゃってことが愛着を生むのかもしれません。」

きっちりしているはずの時計なのに「スキがある」。

それもホッとする存在になっている理由の一つなのでしょう。

富山での時計作り

「時計作っている時にいちばん好きなのが、針を取り付ける時です。動き出す瞬間がいいんです!」

文字盤など作り込んできた作品が、時計としての命を吹き込まれる瞬間。「時計になった」瞬間。いいですよね!

伊藤さんと手作り時計との出会いは偶然でした。

東京に出てきた後、たまたま入ったお店で、「いいなあ」と思える時計に出会い、思わず買ってしまいました。

それまで時計を買うことに興味がありませんでしたが、「この時計なら」と思えました。

手作り時計の師匠に弟子入りし、時計作家としての技術を学びました。

やがて、「30歳になったら富山に戻る」と決心し、故郷の富山に戻って独立しました。

東京ではせかせかとしたところがありましたが、富山では気持ちに余裕が出ました。

「ひと手間かけられるようになりました。」

「丁寧に作れてます。」

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伊藤さんが本日身に付けていた時計には、細かい粒があしらわれています。

こういう手が込んでいるものは富山に来ていなかったら作っていなかったそうです。

今は、自分で時間をコントロールしている実感があり、自由を感じています。

「新しいモノを作っているのは、すんごい楽しいです!」

一度製作モードに入ると、なかなか止まらなくなります。

一つ作って、「もっとこうしたい」が出てくると、次の一つでそれを試します。

すると、次々とアイデアが湧いてきます。

思う存分、アイデアを形にしていきます

「いろんなものを見たりします。富山の景色とか、葉っぱのような自然の形とか」

最近は山もちょっと登るようになりました。ボルダリング (岩登り)もやります。

「山って空気がリンッとしてて、いいんですよね」

山の形を時計の形に取り入れたこともあります。

この冬はまさに製作の期間で、引きこもっていたとのこと。

じっと窓の景色を眺めている猫と一緒に製作に打ち込んでいました。

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富山のお薦めを聞くと、

「しろえびせんべいっておいしいですよね?黒こしょう味ってあるんですよ!」

というマイペースな答えが返ってきました。

伊藤さんが作る時計、富山、そして、伊藤さん自身、とっても似ていると感じました。

家作りのために竹切り。たんぼで釜揚げうどん

今日は大磯で竹切りをしました。

自然素材の家を作る日高さんのワークショップを兼ねた、おうちづくりのお手伝いです。
家作りはこの竹切りから始まります。

竹を使って、土壁が作られていきます。

新月伐採にこだわり、この日に設定されました。

ちなみに今日は旧暦で言うと大晦日。
この家作りが何かの始まりを感じさせます。

竹を切るのはなかなかの肉体労働。

竹は山の斜面に生えているので、上り下りで足腰を使います。

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のこぎりで竹を切っていきますが、竹を倒す方向を間違うとすごく力を使います。

うまい具合に斜面に落とせると重力が手伝ってくれるのでラクチン!

なかなかコツがいります。

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切った竹は2メートル50センチに揃えて切ります。

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それを専用の器具で細く割きます。

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して、竹の節をナタで落としていきます。

腕も足もヘロヘロです。筋肉痛になるでしょう。

このワークショップは労働だけではありません。

アウトドアランチ!

家を建てる中里さんがランチに用意してくれたのが、

なんと、さぬきうどん。しかも、釜揚げうどん!

たんぼの真ん中で釜に上げてますよ!

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まかったぁ!

竹切り。自然と共存したモノ作り。

そのすばらしさ、大変さとも身を持って体験できました!

ハーブ鍋のハーブ酒用の自然の力と作り手のこだわりが詰まったお酒

ハーブ鍋には食前酒としてハーブ酒が提供されます。
このハーブ酒に使うお酒にも、作り手のこだわりが詰まっています。
ハーブセラピストの沼田聡からのレポートです。


うれしい報告があります。
本日、ハーブ鍋の食前酒に使います。日本酒を確保して参りました。

鹿島の地にて、無農薬、無肥料で土からつくりだし、米のうまみをひきだし、除草剤も一切使わず、お米をつくる。その工程は、過酷で通常の除草剤や農薬、肥料を使ったお米の30倍の工程と手間がかかっています。

そんな、自然の恵みをつめこんだ自然農を実践されている自然農農家「鹿島パラダイス」が自然の米だけにこだわってつくる。名杜氏「寺田屋本家」とコラボレーションをした極上酒です。

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丹念に、つくられたお米は一粒一粒が際立ち、それをお酒のお米として利用しました。味は、日本酒でありながらフルーティでワインのような豊潤な香りが空けた瞬間から漂ってきます。日本酒は苦手…という方の苦手意識を覆す自然の力が詰め込められた極上の一本です。

酒は、百薬の長

日本酒は、善玉コレステロールを高めて、冷えを解消してくれます。

今回は、一杯目はそのままで、もう一杯目に、midorismが厳選する無農薬ハーブの力を加えて、その効果と味の際立ちをより楽しんでいただきます。

ぜひ、お楽しみに!
皆様にお会いできることをとてもうれしく思っております。

midorism
沼田 聡

2020年に「昔ながらの家」が作れなくなる??

昔ながらの自然素材 (木、竹、土など)で家を作る建築家の日高さんと知り合いました。

話を聞かせていただき、自然の素晴らしさをそのまま利用する家作りの話の一端に触れられましたが、その内容に感動しました。

壁を作るために必要な竹を伐採するのですが、伐採の時期にこだわりがあるのです。 なんと、月の満ち欠けを見るんです。下限の月から新月にかけての時期を選びます。そうすると、カビにくい素材になるとのことです。

実はこれは「新月伐採」と呼ばれる古来からあるノーハウなんです。 竹に限らず、杉の木を伐採する時も同じです。

科学的には証明されていないですが、新月の時期の植物が水分を比較的含みにくくなるというのも関係しているようです。

森の中で生き、森の恵みを生活の糧にしていた日本人ならではの知恵です。

先日、古民家で日本一鍋をやりましたが、森の中、自然素材に囲まれていることが、なんとも心地よく、「日本に生まれてよかったなあ」と実感する時間を持ってました。ある意味、自分が日本人であることを誇らしく感じる瞬間でもありました。

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ところが、このような自然の素晴らしさを利用する建築によって新しい家を作ることが、2020年にできなくなってしまう恐れがあるというのです。

「2020年までに全ての新築・建築物に省エネ基準適合義務を課す。」という閣議決定があります。

日高さんによると、これが今のまま施行されると、自然素材での建築が実質的に作れなくなってしまうらしいのです。一方、「省エネ基準」を満たす方向で家を作ると、壁ばかりで窓の少ない家になってしまいます。実際に、今、そういった建築が流行っているのだそうです。

感覚的には、「おや?」「何それ?」という感じです。

夏ならば、風通しのいい家の方が過ごしやすく、冷房を稼働する時間も短くてすみそうです。冬ならば、木のぬくもりのもと、エアコン暖房はなくても大丈夫そうです。

数字での評価が人の感性や感覚を置き去りにすることがあります。数字は評価や比較を効率よく行う便利なものですが、計算の方法でいくらでも変わってしまうので、絶対的なものではありません。

モノ作りがコスト重視により、モノに込める「想い」に気付かない風潮があることに、通ずる話です。「想い」を受け止める側の感性が失われている方向にありそうです。

日高さんは自然素材の建築についての数値の出し方の研究を始めています。置いて行かれた感覚、感性を数字で表現するよう鋭意努力中です。

そんな取り組みも応援していきたいです。